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4miniエイプのDIYカスタムと5匹の愛猫ブログ        『いらん物を作るライダー』猫まみれの日々。
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バイクが大好きで昔からいつもその存在は近くにありました。
仕事として携わった時期もあり、多くのバイクやライダー達と時間を共有してきました。


どんな方にも忘れられない記憶に残る、そんな想い出の1台があるのではないでしょうか。

私にとっての特別な1台。
それがCB50JXです。


常に良き思い出であり、原点なのです。



草むらに横たわり、土に帰ろうとしていた2台のバイク。
近隣の苦情でそれは車の荷台に乗せられ、廃棄する為に運ばれて来ました。


偶然にも、その2台に出会ったのが全ての始まり。


『これ、どうするんですか?』

『ああ、捨ててくれって頼まれてな』

『草も絡んで土だらけですね』

『ああ、半分埋まってたような感じだったからな』

『これ、捨てるのって処分代いくらかかるんですか?』

『持って行ってみてだな』

私はその朽ち果てた車体に積まれたエンジンを見つめていました。

『なんだ、欲しいのかコレ』

『処分代を幾らか払わなければいけないなら、逆にそれを私が払うので家に運んでくれませんか?』


『…………やめておけ』

『何故です?』
『スクラップ屋まで行くなら私の家の方が近いですよ。
それにお金を払うのでなく、払ってもらえるんですよ?』


『………本気か?
こいつは生き返らない。もう死んでるんだ』
『時間を割いてお金を捨てるようなものだぞ、やめたほうがいい。』


『!』


『……それでもいいです。やるだけやってみたいです!』


『…分かった。だが、あとでやっぱり要らなくなっても捨ててはやらないぞ。
それでいいなら、運んでやる。』

『分かりました。横倒しでも構いません。置いてきて下さい。』

その何日か前に雑誌で、古いホンダの車両が載っている雑誌を見ていて目が止まりました。
小さなゼロハンは、大きなバイクと同じように立ったシリンダーを持っていてとても魅入られました。

ですが、それはとうの昔にカタログからは消えた絶版車となっていました。


その車両が今、目の前にあってまた機械としての寿命を終えようとしていたのです。


レストアなんて言葉も知らず、またそれをやってみた事もない整備新人でした。
でも、何故か躊躇はなく、自信も無いのに突き動く身体だけがありました。

もちろん、工具なども全く持っておらず、どうしてやってみる気になったのかは私自身にもわかりません。
あったのは揺るがない決意だけでした。

一度は引き止めながらも、腐った2台のCB50を譲ってくれた社長はある日、店の部品取り車に余っていた程度の良い車載工具をくれました。

仕事が終わると飛んで帰り
剥離剤の存在を教わり、擦っては剥いで、そして紙ヤスリで磨く。


しばらく、そんな日々が続き…半年後ようやくJXのメインフレームから全ての錆が落とされました。

2台のCBはJXとSだと、あとになって判明しました。

機械式のフロントブレーキはパーツも欠品と連絡があり、何とか再生できたS型のブレーキを。


メインフレームはJX。

あとはあまり覚えていません。

しかし、程度のなるべく良いほうで再生させて組み上げました。
そのCB50は開始から1年後に命を吹き込まれ走り出しました。

塗装は全てラッカースプレー。
何度も塗っては磨き、映り込みで新聞の文字が読めるまでにしました。

新車で格好良くて速いレーサーレプリカ全盛の時代。


それは生まれて初めてのレストアでした。
整備の先輩達も口々に無理だと言い、完成はしないと言いました。

ですが、私の本気が伝わり始めると、段階を経て様々な方法を伝授してくれました。


手直しとカスタムは何年も続き、触るほどに美しくなりました。
それは、走れば人が振り向くほどに。
さらに偶然に出会ったカメラマンに撮られる事となり雑誌の隅に小さく載りました。



しかしそれは不運にも完成を目前にして盗難にあい行方不明に。


私のCB50への思いと時間はそこでプツリと止まってしまいました。




そして、月日は流れ…12年後。



私の元に、あの縦型のシリンダーを搭載した子孫とも言うべき車両がやってきました。


エイプです。

タイヤは12インチと小さくなりましたが、フレームの基本構成は受け継がれ、改良強化されて現れます。

あの小さくも一生懸命に走る相棒にしてやれなかった事。
それをどこか悔いる罪滅ぼしのように。

クラシックバイクというジャンルを越え、今の自分だからこそ想像し産み出す形。
同じ物を造るのではなく、新たな境地へ。

方法を考えれば、もっと効率的で出来の良いやり方はあります。
しかし、それでは私にとって意味がない。


お金という対価で手に入れるのではなく、誰かに頼むのではなく、自らの手で、あの止まった時の延長線上で、進化をやめず、妥協を好まず、愚直に、自分の中のあの車両を超えるため。


そして、また、出会いました。
今、生きているこの時代に。




CB50J型


もちろん、自分の物ではありません。
そして、あの私だけのCBが戻ってくる事は二度とないでしょう。
しかし、似通った部分も多く、古車が放つ年輪を感じさせる風合いは私をタイムスリップさせるのに充分な存在感です。


強化する為に奢られたアルミリム。
張りに張ったグリップタイヤ。
無理矢理に入れられたチューブ。
食いつかないブレーキディスク。
フラットラインのボディシェイプ。
コンパクトなシート。
現行型とは違う薄く鋭く美しい空冷フィン。
華奢なメインフレーム。
二つに並んだグリーンのメーター。


前日までにリアサスとフロントフォークのオーバーホールを終え、磨きに磨かれたエイプ。
それは、忘れられぬCBへの想いと敬愛への正装。


時を越えて それはここに並びます。

 



『えいぷにゃん』も参加しているにほんブログ村4miniランキングへ新たに登録した『 it's a small CB感 』のオーナーBANZAIさんが所有しているCB50Jです。

記事の内容からお互いにご近所と言うことが分かり、緊急プチオフ会となりました。




なんと、ブログ村に来る前から『えいぷにゃん』の存在を知ってくれていたとか。
嬉しいじゃないですかー!!

挨拶もそこそこに意気投合。
ほぼ、全部話した。
お互いに凄く話した。
ブログ上では書ききれないぐらい(笑)






で、夢中でし込んでいると…

1台のカタナが。
入ってきたのに気付かなかったが、振り向いたら居た。

スパルタンでカッコイイーと2人して眺めていたら…





うへぇ〜!!

TURBOだよ。

買い物を終えたらしいオーナーさんがバイクに戻ってきたので、これまた二人して質問攻め(ヨセ
スズキ 刀400ターボだそうです。

ターボを付けた動機は『遅かったから』
いやいや、遅いからって付けないでしょ普通(笑)
どんな技術と知識をバックグラウンドに持ってたら、そうなるんだ(^_^;)




『スゲェもん見ちまったな…』
『世界は広いわな~』
『俺らのカワイイな』とか言いながら、二人で外へ移動。



そして、また尽きない話を延々と。
ちょっと移動して公園へ。

お互いのを乗り比べたり、そして、また談笑。



気が付けば、ジュース2本で立ったまま、8時間も話し込んでいた(笑)
お互いに濃いいですな(^o^;)



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そうだったんだ!
YamyさんのCBとエイプに込められた思いを知りました。それは盛り上がるでしょうね。
私のは盗まれたわけではないですが、亡き親友と共に直したり、ばらしたり、塗ったり、走ったりと、たくさんの思い出と思い入れがあるのがCBです。初期型を買ったのを報告した一週間後に逝ってしまいました。やつが生きていれば、このオフ会にもきっと行きたがったでしょう。
CB77 2013/06/09(Sun)08:16:30 編集
(T_T)
バイクに掛ける思いが、凄く伝わりました!
本当に盗難は許せません!
苦労や愛情を踏みにじる、許せない犯罪です。

エイプの完成楽しみしています\(^o^)/
瀬那 2013/06/09(Sun)08:23:03 編集
おつかれさまでした
昨日は時間を忘れるような濃密で楽しい時間をすごせた事に感謝してます^^
今後ともお互い楽しい時間の共有ができる事を楽しみにしてます
BANZAI 2013/06/09(Sun)12:57:02 編集
17インチの皆様〜!コメントありがとうございます!
>>CB77さん
エンジンを初めて分解したのはその前に乗ってたCD50なんですけど、数回バラして組んだだけでした。

CBはなかなか火が入らなくて組み直した回数だけでCDを上回りましたね〜!
狭いながらも屋根があったので、ほとんど取り憑かれたように毎日触ってました。


その後、限定解除を取り大きいのも乗ったのですが原点は消えないのですね(笑)
CB77さんの想いも少しずつ直していくごとに届いていくのでしょう。
そのうち、あの白と青のCBにも会いたいですね。



>>瀬那さん
二人のオフレコの中で、凄くセンスの良いカッコイイドリーム乗ってる方がいるんですよーと話しに出していたりしたんですよ(^_^)/

願わくばまだ生きて何らかの形で走っているなら嬉しいんですけどねーCB。


>>BANZAIさん
昨日はありがとうございました!
あとはNBさんとのスリーショットかな(笑)

私の前愛車のNS-1も行方不明だし。
CB、NB、えいぷと並ぶと点が線になるんですよー。
エイプだけでなく、いろんな4miniで集まってみたいですね~。


Yamy URL 2013/06/09(Sun)15:09:03 編集
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